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ワイヤーライン工法の技術革新

ワイヤーライン工法とは

ワイヤーライン工法とは、コアと呼ばれる円筒状の地質サンプルを連続的に採取するために採用されるボーリング工法です。

1930年代にアメリカの石油掘削部門で採用されたのが最初で、日本国内においては1960年代頃から広く採用されるようになりました。
この工法を採用することにより、コアが収納されたインナーチューブのみをワイヤーで引き上げれば良く、ワイヤーラインロッドを昇降するのは基本的に先端のビットを交換する時だけになるため、ボーリング深度が深くなっても実掘進時間を長くできるという長所があります。
ただし、地層崩壊の恐れが少ない(硬岩層が広く分布する)他国で開発された工法であることから、より掘進能率を高めるために掘削断面積を小さくし、クリアランス(掘削壁とロッドの間隙)は最小限に抑えられています。
したがって、日本のような軟弱地盤が分布する地域においては、地層の崩壊等による坑井障害に遭遇することも少なくないことから、より高度な技術を要する工法の一つと言えました。弊社では、これらの問題を解消するため独自の工法を開発することに成功し、3件の特許を出願しました。

採取コア(軟弱地層→礫)
■同工法により採取されたコア
ワイヤーライン掘削の様子
■ワイヤーライン掘削の様子
採取コア(砂岩)
■採取コア(砂岩)
採取コア(軽石凝灰岩)
■採取コア(軽石凝灰岩)

ワイヤーライン掘削工法

ワイヤーライン 1,000~1,200m掘削時の作業フロー

3件の特許について

出願した3件の特許を使用する事により、従来コアの採取が困難であった地域においても、高い実績を残す事が可能となりました。

地層条件に最適な掘削方法を自由に選択可能
  • ●クリアランスの増大(断面積比200~300%)
  • ●高粘性(~250sec)泥水の使用
  • ●高比重(~SG1.35)泥水の使用
  • ●送泥量の大幅な増量(~350リットル/分)
  • ●ロッドの昇降無しにインナーコアチューブヘッドを交換

特許1リーミングオープナー工法の確立

先端のビットに対して外径の大きいリーミングオープナーをビットの直上に複数個取り付け、坑壁を同時に拡孔するのがリーミングオープナー工法です。
これによってクリアランスを大きく取れるため、使用する掘削泥水の送泥量・粘性・比重を増大することが可能となり、地層崩壊の防止・ガス噴出の抑制等の効果が得られます。
そのほか、リーミングオープナーの編成変更により、坑曲がりを修正することも可能となっています。

■リーミングオープナー工法の概念図
リーミングオープナー工法の概念図

特許2合体式インナーコアチューブヘッドの開発

特許3シングル、ダブルインナーコアチューブヘッドの開発

ボーリング地点によっては、硬質層(岩盤等)と軟質層(砂層、シルト層等)が混在し、ケースによって先端のビットを変更することが必要とされるほど地層が多様に変化することがあります。
弊社が出願した2件の特許を併用することにより、ロッドの昇降無しでインナーコアチューブを自由に変更することが可能となりました。
これにより、インナーコアチューブをアウターチューブから突出させる事や、それ自体を回転させる事も可能です。
また、インナーコアチューブの種類は単管(シングル)と二重管(ダブル)を選択でき、回転や送泥の有無まで、地層条件に最適な掘削方法を採用することでコアの採取率を大幅に向上させる事に成功しました。

合体式インナーコアチューブヘッド・シングルインナーコアチューブヘッド・ダブルインナーコアチューブヘッド

  1. 1ロッドあるいはコアチューブを追加することにより、PQビット内から先進が可能
  2. 2ロッドの揚降を行うことなく色々なビット交換が可能・サーフェスダイヤ・メタルビット・送水加工・ビット修正等

ワイヤーライン工法 詳細資料

ワイヤーライン工法の技術革新に向けて(1.04MB)

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